ホームページの値下げ交渉のコツは「見積り項目ごとに」

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ホームページの値下げ交渉のコツは「見積り項目ごとに」

「もうすこし安くなりませんか?」。制作会社にいると本当によく聞く言葉です。

ホームページは決して安いものではありません。しかも成果が確定しているものでもないため、少しでも費用を抑えたいと思うのは仕方のないことです。値段交渉をしてもいいものかと思っている人も多いと思います。

結論をいうと、値下げ交渉は可能です。コツさえ知っていれば費用を抑えることは十分可能です。

当記事では、私が勤める制作会社が実際値下げに応じたケースと、値下げ交渉のコツを紹介します。

紹介するコツを押さえておけば、ホームページのクオリティを落とさない範囲で円滑に交渉できるので、ぜひ参考にしてください。

値下げ交渉のコツは「制作会社の負担を減らす」

ホームページの価格交渉のコツ

ホームページの値下げ交渉を円滑に進めるうえで抑えておくべきポイントは下の4つです。

  • 自社でできることは自社でする
  • 交渉は見積り項目ごとにする
  • 極端な値引きを要求しない

ホームページの値下げ交渉では「制作会社の負担を減らす提案」が大切になります。

ホームページの概要をあらかじめ決めておく、写真などを提供する、サービスの幅を減らすなど、制作プロセスごとに制作会社の負担を減らす具体的な提案ができれば、値引き交渉は十分可能です。

ただし、すべてのプロセスで値下げしようとするとホームページのクオリティが下がります。最悪、依頼を受けてもらえない可能性もあります。

なにごともバランスが大事です。自社と制作会社がWin-Winでいられる範囲にとどめるべきであることは忘れないでください。

しょーすけ
しょーすけ

無茶な値引き交渉はNG。クオリティを保てる範囲での交渉を心がけましょう。

交渉しやすい項目と交渉方法

進行管理(ディレクション)

ディレクション費の価格交渉

ディレクションに関する全般的な業務にかかる費用です。ディレクションには以下の業務が含まれます。

  • スケジュール管理
  • 制作チームの業務・進捗管理
  • 企画・プランニング
  • サイト設計
  • クライアントとの調整

クオリティの高いホームページを作るには、円滑なプロジェクト管理が必要です。ディレクションがうまく機能することで、企画から完成までの各段階をスムーズに進行することができます。

ディレクション費に明確な金額を設定していることは少なく、制作費用の10%といったパターンが多いです。

プロジェクト進行中にサイト設計を大きな変更などで予期せぬ遅延が発生した場合、追加の管理作業費が発生することもあります。

進行管理(ディレクション)の値下げ交渉

ディレクション費の値下げ交渉

ディレクターの作業を自社が負担することで、値下げ交渉ができることがあります。具体的な交渉方法は2つです。

  • プロジェクトスコープを明確に
  • コミュニケーションの効率化

プロジェクトスコープを明確に

プロジェクトスコープとは、期限を守って予算内でプロジェクトを完了できるように、プロセスを管理する作業です。

プロセスを管理するディレクターの労力はプロジェクトの複雑さに比例します。制作会社にすべて任せるのではなく、不必要な機能や要求を省くことで管理にかかる労力を減らし、価格を抑えることができます。

コミュニケーションの効率化

定期的なミーティングの回数を減らす、メールやチャットの活用など、コミュニケーションの効率を高めることで進行管理の負担を減らせば、コストダウンにつながる場合があります。

企画・プランニング

企画・プランニング費の価格交渉

企画・プランニングには以下の業務が含まれ、この段階でホームページのコンセプトや目的が設定され、必要なコンテンツの概要や機能が決定されます。

  • ホームページを作る目的
  • ホームページに求められる成果
  • ターゲットユーザーを決めるための市場調査
  • 成果を得るための戦略立案

企画の初期段階ではブレインストーミングや方向性を決めるための打ち合わせがおこなわれます。

ブレインストーミングとは
複数のメンバーが自由に意見を出し合うことで新たな発想を生み出したり、アイデアを昇華させたりすること。

企画・プランニングの値下げ交渉

企画・プランニングの値下げ交渉

あらかじめ要件やホームページの方向性を決めておくと費用だけでなく、ホームページ公開までの時間を短縮できます。

  • 要件や目標を決めておく
  • 基本プランを選択する

要件や目標を決めておく

企画・プランニングはホームページの方向性を決める重要プロセスですが、事前に自社で詳細な要件や目標を洗い出しビジョンを明確にすることで、このフェーズにかかる時間とコストを削減できます。

基本プランを選択する

特別なカスタマイズや複雑な機能はできるだけ実装せず、実績のある基本的なプランに沿った企画を選びましょう。

制作会社は実績・ノウハウをプランに落とし込んでいるため、基本プランで作られたホームページでも十分に成果を生み出すポテンシャルを持っています。

問い合わせフォームなど最低限必要となる機能は、ほとんどの制作会社は基本プランに含めています。「あったらいいな」程度の機能であれば実装しなくていいでしょう。実装したとしても利用する機会はほぼありません。

サイト設計

サイト設計費の価格交渉

ホームページの構造設計、ユーザーエクスペリエンス(UX)デザインの作成にかかる費用で、以下のものが含まれます。

  • サイトマップ作成
  • ナビゲーションの設計
  • インターフェイスの設計

サイトマップはホームページに必要なページを洗い出した設計図。ナビゲーションとインターフェイスの設計は使い勝手のよいホームページを作るための設計です。

デザインのレイアウト、ナビゲーション(ページ上部にメニューなど)、ユーザービリティを向上させるための設計全般が含まれます。

ユーザービリティとは
製品・サービスの使いやすさや効果など、ユーザーの満足度を表す言葉。

ホームページでは読みやすいフォント、押しやすいボタン、分かりやすいページ構成といった「使い勝手」を指します。

サイト設計の値下げ交渉

サイト設計の値下げ交渉

サイト設計費を抑えるコツは「基本に忠実」な設計をすることです。

設計段階になると、ホームページの具体的なデザインレイアウト、ページ構成、コンテンツ案を目にします。「自社ならでは」のものにしたいと考えがちですが、オーソドックスほうがユーザーにとって見やすいホームページに仕上がります

オリジナリティにこだわるより、ユーザーファーストなホームページになるよう以下の2点に注力しましょう。

  • ユーザーエクスペリエンス(UX)を優先する
  • 制作会社の提案をそのまま採用する
ユーザーエクスペリエンスとは
ユーザーが商品やサービスを通じて得られる体験のこと。ホームページで紹介されていた商品を使ってみて楽しかったという感想だけでなく、使いやすかったという品質に関する体験もユーザーエクスペリエンスに含まれます。

制作会社は、設計段階で上の2点をクリアするよう考えてから提案をしています。クライアント側の修正には主観が入ることが多く、実際に修正を反映してもクオリティが高まることは基本ありません。

多くの制作会社は、設計の見直し・修正を前提に費用を算出しているため、見積り段階で制作会社の設計を優先し、見直し・修正はしない旨を伝えれば費用を抑えられる可能性があります。

ユーザーエクスペリエンス(UX)を優先する

イト設計はユーザー体験に大きく影響しますが、最も基本的なUX原則に集中し、過度に複雑な設計を避けることで、設計費用を削減できます。

制作会社の提案をそのまま採用する

独自のサイト設計ではなく、既存のウェブデザインパターンやフレームワークを活用することで、設計の時間とコストを節約できます。

新規で設計するより工数が少なく、制作会社がもつノウハウを活用できるため、費用だけでなくユーザーエクスペリエンスの観点からも提案はそのまま採用することをおすすめします。

デザイン

デザイン費の価格交渉

ホームページのビジュアルデザインを作成するコストで、以下のものが含まれます。

  • ページのレイアウト
  • サイトカラー
  • テキストのフォント
  • ボタンやアイコンのデザイン

多くの制作会社では初期案に基づいて2~3回のデザイン変更が可能です。ただし、設定された回数を超えた修正には費用が発生します。

また、グラフィックデザインやアニメーションなど工数のかかる作業はデザインの基本料には含まれません。

デザインの値下げ交渉

デザインの値下げ交渉

デザイン費を抑えるコツは、あまり複雑なデザインにしないことです。

テンプレートがあれば利用する、オリジナルデザインの場合は修正回数を減らすなどすれば、値引きの余地が生まれます。

  • テンプレートを利用する
  • 修正回数を減らす

テンプレートを利用する

テンプレートを使うことでデザインの工数が大幅に減り、人件費を削減することができます。

テンプレートを選ぶ場合は、最初から価格が安い場合も多く値下げ交渉が難しいですが、オリジナルデザインより確実に費用を抑えることができます。

修正回数を減らす

オリジナルデザインで制作する場合、2~3回の修正可能となっており、見積り金額にも修正の工数が含まれていることがほとんどです。

見積り段階で修正なし、もしくは1回と作業量の上限を引き下げれば、値引きしてくれる可能性があります。

デザインはこだわりたいと思うかもしれませんが、制作会社は実績やノウハウをデザインにしっかり落とし込んでいます。むしろ主観に基づいた修正は自己満足で終わることがほとんどです。

基本的には提案されたデザインをそのまま採用するほうが、ホームページから成果を得られる可能性が高いでしょう。

しょーすけ
しょーすけ

提案されるデザインには制作会社のノウハウが詰まっています。下手に修正するよりそのまま採用するほうがクオリティが高くなることが多いです。

コーディング

コーディング費の価格交費

コーディングは、ホームページをブラウザで見られるようにするためのプラグラミング作業です。

HTML、CSS、JavaScriptなどの言語を使って、デザインを実際にウェブページにコーディングしていきます。

基本的なコーディングは見積りに含まれていますが、複雑な機能の実装やカスタム作業がある場合、追加費用が発生することがあります。

コーディングの値下げ交渉

コーディング費の値下げ交渉

コーディング費はほぼ人件費です。そのためコーダーの稼働を少なくすればコーディング費を抑えられる可能性があります。具体的な方法は下の3つです。

  • テンプレートを活用する
  • ページ数を減らす
  • 実装する機能を厳選する

テンプレートを活用する

テンプレートを活用すると、内部をある程度作り込んだ状態で作り始めるため、オリジナルデザインに比べて工数を大幅に減らすことができます。

テンプレートを使うプランはあらかじめ価格が抑えられているため値下げ交渉は難しいですがオリジナルデザインに比べると間違いなく費用は小さくなります。

ページ数を減らす

コーディング費はページ単価×ページ数で算出されることが多いため、単純にページ数が少なければ費用も安くなります

ただし、必要なページを削ってしまうとホームページを作る意味がなくなります。ページ数を減らすときは、まとめられるページがないか考えてください

例えば経営理念、代表挨拶、沿革というページがある場合、ページを作る目的は自社の概要をユーザーに伝えることです。

同じ目的で作られたページはまとめても問題ないことが多いです。上の例であれば、会社概要1ページにまとめることができます。

実装する機能を厳選する

複雑な機能を実装するとコーダーの作業が増え、比例して費用が高くなります。

費用を抑えたいなら実装する機能は必須かつ最低限にしましょう。自社要望ではない機能がプランに入っていた場合は内容をしっかり確認して、必要ないと思った機能は外してもらいましょう。

しょーすけ
しょーすけ

見積り段階で必要か迷うくらいなら削って大丈夫です。機能は必要になったらいつでも追加できます。

素材(画像や写真)

素材費の価格交渉

ホームページで使用する画像や写真、イラストなどのコンテンツの購入または作成にかかる費用です。

無料で使える素材もありますが、ホームページのクオリティを高めたいならプロが作成した有料素材が必要になります。

飲食店や雑貨屋など、ビジュアルが重要になるジャンルではプロのカメラマンが撮影をおこなう場合もあります。

素材(画像や写真)の値下げ交渉

素材費の値下げ交渉

カメラマンによる撮影やクオリティの高い有料素材を使うと素材費がかさみます。

飲食店や物販サイトなど、写真のクオリティが重要になるホームページでなければ以下の方法で費用を抑えられる可能性があります。

  • フリー素材の活用
  • 素材を提供する

フリー素材の活用

画像などの素材はホームページのクオリティを左右する重要な要素ですが、それほどこだわる必要がない場合もあります

例えば製品やサービスの販売を目的としないホームページです。会社案内が目的であれば、フリー素材だけで十分整ったデザインに仕上がります。

反対に、飲食店などBtoC向けのホームページは視覚からの訴求が重要なので、費用が多少かかっても素材にはこだわりましょう。

素材を提供する

ロゴや写真をデータで保持しているのであれば、提供することで素材費を節約できます。

交渉できるがおすすめはしない項目と交渉方法

環境構築

環境構築費の価格交渉

ドメイン購入、サーバー契約、ソフトウェアのインストールやカスタマイズなどにかかる費用です。

基本的な構築は見積りに含まれますが、特定の機能付与やセキュリティ強化、ホームページの表示速度高速化などは別途費用がかかります。

環境構築の値下げ交渉

環境構築費の値下げ交渉

環境構築はホームページの土台を作る作業で、ドメイン購入、サーバー契約、CMSインストール・初期設定などが含まれます。

自社で環境を整えて制作会社に提供すれば費用がかからないこともありますが、環境によっては制作できないといったケースもあります。

制作会社が普段使っている環境とあまりに違うと、制作過程で思わぬバグやトラブルが発生する可能性があるためです。

どうしても費用を抑えたいなら下の方法が考えられますが、基本的にはおすすめしません。抑えられる費用も微々たるものです。

  • ドメインを自社で購入
  • サーバーを自社で契約する

ドメインを自社で購入

ドメインを自社で購入すれば作業費・手数料がかかりません。

サーバーを自社で契約する

サーバーを自社で契約し制作会社に提供すれば作業量・手数料がかかりません。

契約するサーバーは制作会社に必ず確認しておきましょう。

運営・保守管理

運営保守の価格交渉

ホームページ完成後に発生する定期的な更新、バックアップ、セキュリティチェック、トラブル対応にかかるコストです。

保守管理を制作会社に任せることで、ホームページが常に最新の状態に保たれ、セキュリティ面の安全性などを担保できます。

基本的な運営・保守管理費は見積りに含まれます。簡単なテキスト更新などは管理費内で作業してくれる会社が多いですが、大幅な変更を加える場合は別途作業費がかかります。

運営・保守管理の値下げ交渉

保守管理の値下げ交渉

運営・保守はホームページを存続させるためには必須になります。専門知識が必要な作業も含まれるため、制作会社にすべて任せるほうが無難です。

どうしても費用を抑えたいなら、下の2つを検討できます。

  • サポート範囲の調整
  • 自社で運営管理する

サポート範囲の調整

運用・保守の範囲を見直し、実際に必要なサポートのみに絞ることで費用を抑えることができます。

ドメイン・サーバー管理やセキュリティのアップデートなどは必須ですが、それ以外は見直す余地があります。例えばテキストや画像の更新が含まれている場合です。更新する頻度が少ない場合は交渉可能です。

サポートを外した状態で更新を依頼すると費用が発生しますが、長期的に見れたときの費用は小さくなります。

自社で運営管理する

基本的な更新や管理を自社でおこなうなら費用は発生しません。ただし、セキュリティ面やトラブル対応に不安が残るためおすすめはしません

価格とサービスのバランスを考慮することが大切

プロジェクト全体の規模を見直すことで、全体的な費用を下げることができる場合があります。重要なのは、クライアントの要求と制作会社の提供できるサービスのバランスを見つけることです。

ただし、クオリティを犠牲にすることなくコストを削減する方法を見つけることが最も重要であることを忘れないでください。

制作会社によっては交渉の余地がない項目もあるため、オープンなコミュニケーションを保ちながら予算内で最良の結果を得るための方法を探ることが大切です。